緊急地震速報 19.4.6 |
数秒~数十秒の使い方(-5) ソロモン沖地震では、2004年のスマトラ沖大地震の経験から、地震が来たら高台に避難するという知識が広まっていて多くの人命が助かったそうだ。 科学大国日本では精緻なシステムが出来つつある。それが「緊急地震速報」である。 速度の早いP波(7km/秒)と遅いゆれを伝えるS波(4km/秒)の速度差を利用して、地震発生から3~4秒後に、気象庁が地震の規模と到達時間を流す。 従って直下型地震では間に合わないが、千葉県北西部で発生した地震を東京都八王子市では10秒後に到達するので、八王子市民は緊急地震速報を受けてから大きな揺れが到達するまで6~7秒の猶予がある。 エレベータは間近の階に停止して閉じ込めを防止できる。手術中の病院では危険な器具の使用は中止できる。列車は停止することができる。家庭では大きな家具から離れ、頭を保護し、火の始末が出来、扉を開けて避難路を確保できる。屋外ではブロック塀や自動販売機から離れ、看板、外壁、ガラスの落下に気をつける。危ないビルから離れ安全なビルの中に入る。自動車を運転中だと、後続車がこの情報を聞いていないこと考慮してハザードランプを点灯しつつ緩やかに減速することができる。という。 気象庁は、鉄道や建設会社に昨年8月から先行提供しているが、放送局、集客設備、民間会社に広く流すことは、これまで体験したことの無い情報であるので、パニックになる恐れを心配して、遅らせて9月を目途とすることになったという。逆に早く利用できるようにして欲しい。新商品・新サービス提供の機会だ。 |
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by esunami
| 2007-04-05 19:41
| 地震・災害
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健康情報と安心 19.4.5 |
健康情報は難しい(-1) 和歌山県の女性が花粉症対策として、山形県の企業が製造しているスギ花粉を含む健康食品を飲んで一時意識不明となり、山形県は薬事法に基づき販売停止と回収を命じ、厚生労働省は「アレルギーを起こす恐れがある」として注意を呼びかけているという。 私も花粉症に20年ほど悩まされ、この季節は出来るだけ外出を控え、外出が必要な時はマスクを着用する。くしゃみと目のかゆみと鼻水に悩まされ、花粉症関連の記事には注目している。花粉症に効果があるという健康食品の情報も気になるし、飛びつきたい。 多数の人を対象にある病気と予防効果との因果関係を調査研究する研究が「疫学研究」といい、かなり信頼性がある。長期間の追跡調査で多額の資金が必要となり、国などが行ったきちんとして研究は少ないから気を付けないといけない。 「普段の食事にビタミンCを多く摂取している人ほど白内障になりにくい。(厚生労働省2007)」とか「肉体労働や激しいスポーツなど日頃体をよく動かす男性ほど、大腸がんになる危険性が低下する。女性にはその関係は見つけられなかった。(厚生労働省2007)」とか「抗酸化物質(ビタミンA、ビタミンE、ベータカロチン)の入ったサプリメントを摂取した人と、していなかった人とを比べると死亡率で大きな差がなかった。むしろ各16%、4%、7%高くなった。(デンマークの国際共同研究グループ2007)」がそれに相当する。 しかし、疫学研究で良い結果が出たといっても気をつけなければならないこともあるという。例えば、コーヒーは複数の大規模な疫学研究で2型糖尿病にかかるリスクは軽減するという結果が報告されているが、一方で、カフェインの分解速度の遅い人は一日二杯以上のコーヒーを飲むと心筋梗塞になる危険性が高まるという報告もあるという。 また、悪用する人、企業もある。 |
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by esunami
| 2007-04-03 16:50
| 健康・病気・医療
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子供の安全 19.4.4 |
携帯、GPS利用の防犯システム(ー1) 小田急電鉄はオムロンと協力して子供が定期券で自動改札を通るたびに保護者の携帯にメールが送られるシステムを作った。6ヶ月で1980円で好評と言う。東急電鉄も始めるという。 セコムの携帯型防犯システム「ココセコム」は緊急時にボタンを押せばセコムの警備員が駆けつけてくれるもので、機器費用費用7350円、年間18010円。 緊急スイッチを押すと、直接、保護者に連絡し、ブザーの鳴る子供用携帯(キッズケータイSA8001:2万円)はNTTドコモから。 GPSの付いたPHS・ブザー端末はヴァーゴウェーブから。 ランドセルメーカーもGPSと防犯ブザー付きのランドセル。 塾や学校のカード読み取り装置にカードをかざすと、保護者の携帯にメールを発信するシステムをレブルシステムが(学校の経費は15万円、児童は300円/月)。 児童殺傷事件が起こった大阪教育大付属池田小学校では子供がバッジ型発信器で、通学途中の駅、交差点、役所などの管理ポイントを通過すると、「何時何分に通過」というデータを保護者にデータと動画を学校に送信する。(システムは5千万円、児童は2万円) ケイテイコーポレーションでは500人規模でICタグ、校門通過時の動画撮影、受信ホームページをセットで2300万円としている。 立命館大は富士電機システムズ、ミズノ,関西電力、近畿コカコーラボトリング、松下電器と自動販売機近くを通過した児童の保護者の携帯に画像とメールを発信するシステムを開発している。 子供の安全・安心は新商品・サービスの開発、産学連携の戦場でもある。 |
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by esunami
| 2007-04-01 16:29
| 犯罪・防犯
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製造者の製品安全責任 19.4.3 |
消費生活用製品安全法の改正(-2) ガス湯沸かし器、シュレッダー等の生活用品において重大事故が相次いで、「安全法」が改正され、平成19年5月14日から施行される。 家電やガス器具など経済産業省の管轄の商品に限られ、食品、エレベーター、回転扉、遊具や別の法律で安全規制の有る自動車、医薬品を除く。 これら製品に関連して事故が起きた場合、製品に欠陥がある無しに係らず、製品の製造・輸入元は10日以内に経済産業省に報告することを義務付けている。 報告が義務付けられているのは、死亡、重傷(治療に30日以上要する場合)、一酸化中毒、火災などに繋がった事故である。 経済産業省は、事業者からの報告後、ガス・石油機器による重大な事故については製品の欠陥が原因かどうかを問わず、直ちにメーカー名や製品名を報道発表する。その他の製品の事故も製品の欠陥が原因の可能性のある場合はすぐ公表する。 経済産業省から3月にガイドラインも発表された。関連製品製造メーカーの経営者は直ちに「消費者重視」「製品安全の確保」を社内に掲げ、具体的なアクションを従業員に指示する必要がある。 |
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by esunami
| 2007-03-31 17:03
| 製品・PL
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新製品の安全性について 19.4.2 |
新製品開発が命取りにならないように(-1) 川崎市産業振興財団で推進している「かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会」はロボットビジネスで中小企業を振興しようとしている。 その一環として、第6回ビジネスセミナーとして「サービスロボット安全講習会」があった。 ロボットが身近に入ってくるためには、安全性を考えた設計を行う必要がある。その進め方は、ISOの安全規格ガイドラインに従うのが正式である。「機械類の一般設計原則」⇒「制御システムの安全関連・・」⇒「個別機械安全規格」に従う。また、リスクアセスメントを行う。あらゆるケースを想定して、誤使用も含めて危険例を考える。 サービスロボットに限らず新製品を設計、製造する時は同じである。 最近、それをきちんと行わないで製品に問題が多発している。中小企業で無くとも問題を起こすと企業は致命傷となるケースが出てくる。ガス瞬間湯沸かし器、洗濯機の発火、シュレッダーで指先を損傷、回転扉、エレベーターの挟まれ、リチウムイオン電池等の事故である。 特に、新製品の開発においてはリスクの予想が難しい。製造者も使用者も安全の専門家にとっても難しい問題である。 |
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by esunami
| 2007-03-30 22:23
| 製品・PL
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